最後の恋はアナタの隣で

まぁ、百歩譲って隠すのは良い。
上履きで帰れば良いだけの話だし、困る事なんて何もない。


……問題なのは春樹さんだ。


上履きのままの私を見たら、春樹さんは絶対に何があったのか問いただしてくると思う。


春樹さん曰く《いわく》、私は嘘をつけないらしいから、仮に「盗まれた」と言ってもすぐにバレてしまうはず。


そこで春樹さんの押しに負けて、正直に「イジメられてる所為」なんて言ったら――…


「こ……怖い」

想像するだけで全身に鳥肌が立つ。


だからどうにかしてこの状況を打破出来ないか考えていると、


「おう、相澤」

私を呼ぶ声が聞こえて、その声の方へパッと視線を向けた。