最後の恋はアナタの隣で

教室の入り口に立ってる人影に気が付いて、思わず足を止める。


……きっと、私が一方的に殴ってるところしか見てないな。


入り口で立ち止まり悲しそうな目をしてる――ミサキの顔を見て、そう思った。


ミサキの隣には呆れ顔のリンもいる。


私は今すぐミサキに駆け寄って「違うんだよ」って言いたい衝動に駆られた。


ミサキなら分かってくれるはずだから、理由を説明して誤解を解きたい。


ゴミ箱の中に証拠だってあるし、それを見ればミサキは私以上に怒ってくれて、泣いてくれるはず。


――でも。


それをして何の意味があるっていうんだろう。

そうやって同情を引いて、自分のした事を許してもらうつもりなんだろうか、私は。