最後の恋はアナタの隣で

……あぁ、そうか。

何ですぐに気が付かなかったんだろう。


教室の扉を開けた瞬間から始まっていたのに――この“イジメ”は。


やけに冷静になった私は、床に転がっている教科書に手を伸ばし、それを拾い上げるとパラパラとページを捲った。


中にはビッシリと“汚い言葉”が並んでいて、思わずフッと鼻で笑う。


“経験人数何人ですか?”
“三度の飯よりセックスです”
“さすが相澤!ヤる事が違う!”


どれも反吐《へど》が出そうな物ばかり。


「……くだらねぇ」

十四年間と少し生きてきて初めて体験するイジメに、心底呆れた声を吐き出した。


……そっちがそう来るなら、思い知らせてやる。

イジメるなら相手を選べって事を。