床にも――膝の上にも散らばる――封を切られたコンドーム。


尋常じゃないその量に思考が停止して身動きが取れずにいると、してやったりと言わんばかりに、クラスメート達がドッと笑い声をあげた。


その声でハッと我に返った私は、急いで立ち上がり膝の上からコンドームを払い落とす。


「避妊しろよー!」
「きちんと片付けてくださーい!」
「何人とヤッてんだよ!」
「まじ汚ぇ!」


笑い声に混じってそんな罵声が飛んでくる。


言い返したいのは山々だったけど、それよりも先に落としてしまった教科書を拾おうと思い、私は床に視線を向けた。


すると、コンドームと一緒に転がってる教科書の表紙に――“ヤリマン死ね!!”と書かれているのが見えた。