そう自分に言い聞かせ、首を小さく横に振ると、一旦深呼吸をしてから足を踏み出した。


そして、教室の扉に手をかけ、いつも通りそこを開く。


――その瞬間。


私の姿を見たクラスメート達が、一斉に静まりかえった。


明らかにおかしいその状況に、思わず足を止めてクラスメート達の顔を見渡すと、すぐに全員の視線が逸らされ、重苦しい雰囲気に包まれる。


……何が起こってるのか理解出来ない。


だからと言って、馬鹿みたいにこのまま立ち止まってるわけにもいかない。


まるで私の姿を視界の端にすら入れないようにしてるクラスメート達に違和感を覚えながらも、気を取り直して足を進めた直後、


「ヤリマンが来た」

誰かがボソッとそう言った。