「学校に行く時間だぞ」

「……ほんろーに行かないとらめ?」

「駄目だ。これ以上休んだら逃げてるのと同じだからな。ほら、さっさと準備しろ」

「ふぁーい……」

渋々、そう返事をすると、私の頬っぺたから春樹さんの指が離れた。


ヒリヒリと痛むほど強く掴まれてた頬を擦りながら、学校に行く支度を始める。



――リンと喧嘩した日から六日が経った。


あの日、“ヤらせて男子”を春樹さんの後輩達に任せて帰宅した後、暫く休みたいと言った私のお願いを、春樹さんは快く聞き入れてくれた。


そのおかげで先週はずっと学校に行かずに仕事に出ていたけど、あまり長く休むと行き辛くなると言って、春樹さんはとうとう私に学校へ行くよう言ってきた。