最後の恋はアナタの隣で

それなら見覚えがあって当然だなと一人で納得して、春樹さんにアルバムを手渡し、“ヤらせて男子”の顔を教える。


すると、


「この三人捕まえて連れてこい」

春樹さんは後輩に“ヤらせて男子”を見せながらそう言った。


「分かりました!! 十分以内に捕まえてきます!!」

「あぁ? 十分じゃ遅ぇよ。五分だ。他の奴らにも連絡入れて探せ」

「はいっ!!」

後輩はすぐにまたバイクに跨がると、春樹さんの指示通り他の人達にも電話を掛けてから、駐車場を出て行った。


その後ろ姿が見えなくなるまで見送った後、私は隣に座る春樹さんにチラリと目をやった。


「どうした?」

私の視線に気が付いた春樹さんが優しく微笑む。


それを見て少し悔しい気持ちになってしまう私は、もしかしたら負けず嫌いなのかもしれない。