最後の恋はアナタの隣で


――十分ほどして、散らばっていた後輩達のうちの一人が、バイクに乗って駐車場に戻ってきた。


後輩はバイクを止めて私達の所へ駆け寄って来ると、赤色の表紙の本を春樹さんに手渡す。


中身を見なくてもそれが、三年生に上がってすぐの頃に撮った、クラスごとの集合アルバムだと分かった。


「どいつだ?」

春樹さんは私の前に三年一組のページを開いて問い掛ける。


でもそこには“ヤらせて男子”のメンバーはいなくて、春樹さんの手からアルバムを取った私は、次のクラスから順に自分で確認していった。


“ヤらせて男子”の顔には見覚えがある。

その理由は、三人の写真を見つけてすぐに分かった。


“ヤらせて男子”は三人共、私の隣のクラスの生徒だった。