「あ、そうだね。ごめん」

春樹さんに促されすぐさま鞄を持って立ち上がった私は、助手席側に回って車に乗り込む。


そして、柔らかくて大きな深めのシートに身を沈め、


「春樹さんって、こんな車に乗ってたんだね? ビックリしたよ」

シートベルトを締めながらそう言うと、


「もしかして車に驚いてたのか?」

校門前から車を発進させた春樹さんが、キョトンとした顔を私に向けた。


「それ以外に何もないでしょ」

春樹さんのその表情が可笑しくて、私はつい笑い声をあげる。


車に関しての知識が全然ない私にも、この車の見た目が改造されてるっていう事だけは、何となく分かった。


車高がギリギリまで低くされた、マフラーも変えられてるこの車。