「涼ちゃん! 来てくれたんだ!」

重い足取りで教室に入るなり、ミサキが嬉しそうな声をあげて私に駆け寄ってきた。


だけど、それに反応する気力もなかった私は、ミサキにチラッと視線を向けてすぐに逸らすと、何も言わずに窓際の一番後ろにある自分の席に足を進める。


「昨日はメール返してくれてありがとう! 返ってこなかったらどうしようって思ってたから、凄く嬉しかったよぉ」

「……」

「てか、涼ちゃん痩せた? きちんとご飯食べてる?」

「……」

「あ! メイクの仕方変えた? 可愛いのがもっと可愛くなってるよぉ!」

「……」

私の横にピタリとくっつき、ひたすら無視する私にどこで呼吸してるんだって思うくらい話しかけてくるミサキ。