「母校? ……えぇ!?」
春樹さんの言葉に、瞬かせていた目を今度は大きく見開いた。
「そんな驚く事でもないだろ。今住んでる家だってここからそんなに遠くないんだから」
「そ、そうだけど……」
“先輩と後輩”っていう関係だった事が嬉しくて声を上げたのに、春樹さんはそれに気が付いてないみたいで、私に向かって呆れたような笑みを浮かべる。
嘘には驚くほど敏感なくせに、こういう“乙女心”には鈍感らしい。
「ここに来るんだったら俺の車出せば良かった」
「え? この車って春樹さんのじゃないの?」
「これは千秋――友達の車。俺のは車高が低くて出勤する時、面倒臭いんだ。だから貸してもらってる」
「……」
……“ちあき”って、誰?
そう言いかけた言葉が喉に詰まって、心の奥深くにポトリと落ちていく。
春樹さんの言葉に、瞬かせていた目を今度は大きく見開いた。
「そんな驚く事でもないだろ。今住んでる家だってここからそんなに遠くないんだから」
「そ、そうだけど……」
“先輩と後輩”っていう関係だった事が嬉しくて声を上げたのに、春樹さんはそれに気が付いてないみたいで、私に向かって呆れたような笑みを浮かべる。
嘘には驚くほど敏感なくせに、こういう“乙女心”には鈍感らしい。
「ここに来るんだったら俺の車出せば良かった」
「え? この車って春樹さんのじゃないの?」
「これは千秋――友達の車。俺のは車高が低くて出勤する時、面倒臭いんだ。だから貸してもらってる」
「……」
……“ちあき”って、誰?
そう言いかけた言葉が喉に詰まって、心の奥深くにポトリと落ちていく。

