翌朝。
春樹さんに昨日の出勤を取り消された私は、久しぶりに朝の日射しで目を覚ました。
「起きたのか?」
ベッドに寝転がったままボーッと天井を見つめる寝ぼけた脳に、愛しい声が響き渡る。
視線だけ動かしてその声の方へ目をやると、左側にあるパソコンの前で、スーツ姿の春樹さんが何やら作業をしているのが見えた。
「……仕事終わってから寝てないの?」
「うん、寝てないよ。涼が寝坊したら困るから」
「私、朝には強いから大丈夫だよ」
「それ早く言って」
椅子から立ち上がり、フッと笑ってベッドの端に腰をおろした春樹さんは、横たわってる私の上半身を片手で抱き起こしてくれた。
洋服を着てるとスラッとしてるように見えるけど、こうして触れると春樹さんが逞しい《たくましい》体つきをしているのが分かる。

