最後の恋はアナタの隣で

――…“一緒にいるのが幸せで”


頭の中に春樹さんのその声が木霊《こだま》する。

体中の血液がドクドクと音を立てて熱を帯び、今にも沸騰しそう。


……やっぱりこの人を誰にも取られたくない。

春樹さんを誰かに取られてしまうなんて、絶対に嫌だ。


「……私行かない。学校に行かないで仕事する」

春樹さんを失ってしまう事に改めて恐怖を感じた私は、覚悟を決めてそう言った。


それなのに。


「は? 駄目駄目! それは絶対に駄目だ」

春樹さんは私の気持ちを全力で拒否した。


「……何で? 何で駄目なの?」

「何でもだ。とりあえず行け」

「やだ」

「やだじゃない」

「いやだ」

「言い方を変えても駄目な物は駄目だ」

「……」