ママのスキャンダル!

「もちろん、君のせいだけじゃない」

そのフレッドさんの声に、あたしははっと我に返った。

「―――どういう意味ですか?」

「さっきも言った通り、こんなスキャンダルが表沙汰になれば、困るのは私も同じだ。父親をそんな目に合わせてまでこんなことをするのには―――君を嫌いというだけじゃ理由にならない」

「―――ソフィアに、聞いたことがあります」

あたしの隣にいたデイブが、口を開いた。

「あなたが―――浮気しているらしいと」

「―――そうか。やっぱり気づいていたんだな・・・・・」

「それじゃあ・・・・・」

「ああ、そうだ。ソフィアは、私を陥れようとしたんだよ。浮気して、母親以外の女に目を向けてしまった父親を、許せなかったんだろう・・・・・」

寂しそうにそう言って苦笑するフレッドさん。

「―――パパ・・・・・」

階段の方から、姿を現したのは、蒼白の顔を強張らせた、ソフィア本人だった・・・・・。

「ソフィア・・・・・この男を雇ったのは、お前だね」

その言葉に、ふっと眼を伏せるソフィア。

「・・・・・そうよ。まさか、あのハリーが本当に来るなんて―――計算外だった」

「もしハリーがこなくても、私が彼女の母親に何かするはずがない。お前の友達の母親に―――」

「友達なんかじゃないわ。あたしは―――サラなんて、大嫌いなのよ」

そう言って、ソフィアがあたしをじろりと睨みつけた。

「そうかい?私はサラはとてもいい子だと思うけど―――。君たちは、きっと友達になれると思うんだけどな」