ママのスキャンダル!

「ママ!」

ママはぐったりとして、ハリーに支えられるようにして立っていた。

「だいぶ飲んでるみたいで・・・・・彼が、真菜を抱えて2階へ上がっていくのが見えて―――慌てて追いかけたんだ」

そういったハリーの視線の先にはフレッドが―――

「急に具合が悪くなったようで、たっていられなくなったんだよ。君は傍にいなかったし、仕方なくここへ―――」

そう言って頭をかいている。

そこへ―――

“バシャッ、バシャッ、バシャッ”

激しいフラッシュの光とシャッター音が鳴り響き―――

『Hey!!Weit!!』

数人の、黒服を着た男性が階段を駆けあがってくる。

バタバタと、部屋から出て来た男が逆の方向へ逃げようとして―――

一体何が起こったのか、わからなかった。

カメラを抱えた男を黒服の男たちがあっという間に取り押さえ、そのカメラを取り上げる。

取り押さえられた男は観念したようにそこにしゃがみこみ―――

その場はまた静まり返った―――。

あっという間の出来事。

あたしは身動きすることも忘れ、呆気にとられていた。

一体、何が起こったの・・・・・?

「真菜?大丈夫?」

ハリーに支えられるようにして立っていたママが、ふらりとよろけた。

「ごめ―――ちょっと、気持ちが―――」

胸を押さえ、前かがみになりママを、ハリーが両腕に抱えあげる。

「洗面所に行こう」

「この突き当りにあるから」

フレッドの言葉を背に聞き、ハリーはママを抱えながら走りだしたのだった―――。