ママのスキャンダル!

あたしは人をかきわけ、慣れない着物の裾を翻しながら、ホールの出口へと向かった。

「たぶん、そっちから2階へ上がれるはずだよ。俺も1度しか来たことないけど―――」

デイブの言葉を頼りに、家の中を進む。

―――なんでこんなに広いの、この家!

それに着物の歩きにくいことと言ったら―――

やっぱり着物はこれきりにしよう。

そんなことを思った時。

「サラ、こっち!」

デイブの声にはっとして前を見ると、デイブの指さす方に階段が。

2人でその階段を駆け上がり、2階へ行く。

その先はまた廊下が左右に伸びていて―――

「どっちかな」

デイブもきょろきょろしている。

その時だった。

突然そこに並ぶ部屋の一つの扉が開いたのだ。

そして出て来たのは―――

「ママ!ハリー!」

そう、そこから出て来たのはママと、それからなぜか日本の袴姿のハリーだったのだ・・・・・。