ママって時々、とんでもないことを考える人だなって、つくづく思った・・・・・。


そして3日後、日本から取材の人たちがやってきた。

その中には、懐かしい顔が。

「やあ、沙羅ちゃん、久しぶり」

「徳井さん!」

オーディションを受けたとき、最後の1人に決まるまでずっとあたしに密着取材をしていたカメラマンさんだ。

「どうせなら、沙羅ちゃんと面識のある人間がいたほうが沙羅ちゃんもやりやすいだろうって、スカウトされたんだ」

そう言って嬉しそうに笑う徳井さん。

あたしも知っている人がいてくれれば心強い。

スタッフは徳井さんも含め総勢6人。

ハロウィンまで近くのホテルに滞在することになっていた。

そして、その間はキャロルさんがあたしの家に泊まりこむことになっている。

いつもどおりに学校へ行きながらも毎日取材されるという、半分私生活、半分仕事のような生活が約1ヶ月続くことになるのだ。

でも、日本の人たちと仕事をするのも久しぶりで。

あたしはちょっと楽しい気分になっていた。

「へえ、取材かあ。そういうの聞くと、やっぱりサラって芸能人なんだなあって思うよ」

「ほんとね。ねえ、あのカメラマンの男の人ってちょっとかっこいいね」

「徳井さん?そうかな?」

「うん。ほら、ソフィアもさっきからちらちら見てるの」

そう言ってシンディがにやりと笑った。

「あれは絶対あのカメラマンに気があるのよ。カメラのないとこで、また意地悪されるかも」

「楽しそうね、シンディ」

「ああ、違うわよ、ソフィアが嫉妬してるのが見ててわかって面白いなって思っただけ。ちゃんとあたしがいつも一緒にいて、いじめられないようにしてあげるからね」

そう言ってウィンクするシンディは、なんだかとっても頼もしく見えた・・・・・。