ママのスキャンダル!

「デイブってきっとサラが好きなのよ」

放課後、教室を出ながらシンディがあたしにこっそりと言った。

「あたしも、好きだよ。シンディも大好き」

あたしが言うと、シンディが笑った。

「そういう好きじゃなくて。サラのこと、女の子として好きなのよ」

「え・・・・・」

シンディがニヤリと笑い、あたしを見た。

「ま、あたしのことも大好きだなんて言ってる内はまだまだかなあ。サラってばお子様なんだから。そこが可愛いんだけど」

「・・・・・なんか、馬鹿にされてるみたい」

あたしの言葉に、またシンディが楽しそうに笑う。

「違う違う、そういうところが好きって言ってるの。サラといると退屈しないもん」

やっぱりちょっと馬鹿にされてる気がしないでもないけど・・・・・。

それでもシンディの笑顔は温かくって。

あたしはシンディと友達になれたことがうれしかった。


「ハロウィンパーティー?その子の家で?」

ママの言葉に、あたしは頷いた。

「うん。ママやハリーも来たらって言うんだけど・・・・・」

あたしの言葉に、ママは首を傾げてちょっと考えた。

「わたしはともかく、ハリーはどうかなあ。パーティーってあんまり好きじゃないみたいだし、それに仕事があるかも」

「うん、それならいいの。無理にって言うんじゃないし。あたし、その子とあんまり仲良い方じゃないから、断ろうかなって思ってたところだし」

半ばほっとしてあたしが言うと、ママはじっとあたしの顔を見つめた。

「その子と、何かあったの?」

「な、何かって?」

「なんとなく・・・・・本当にただ行きたくないだけなら、わざわざママに聞かないでしょ?何か、あったんじゃないの?」

ママの言葉に、あたしは一瞬固まった。

普段ぼーっとしてるくせに、妙に鋭いところが会ったりするんだから・・・・・。

「沙羅?ママ、怒ったりしないから何かあったなら話して?問題の解決にはならないかもしれないけど・・・・・。力にはなれるかもしれないよ」

優しいママの声に、あたしの瞳から涙が零れた。

泣きたかったわけじゃないのに。

次の瞬間には、ママが優しくあたしを抱きしめてくれていた・・・・・。