「自覚、ないでしょ。意識してやってるわけじゃないんだなって見てるとわかるの。でも、だからサラは本当に優しいんだなって思うのよ。あたし、サラのこと本当に大好きよ」

「うん、俺も」

2人の言葉に、あたしはなんとも言えず、暖かい気持ちになった・・・・・。


「ねえサラ、10月になったらうちに来ない?」

「シンディの家に?」

「そう。一緒にハロウィンの準備しようよ」

ハロウィンか・・・・・。

日本でも最近はいろんなイベントがあったりしてハロウィングッズなんかもたくさんお店で見るようになってたけど・・・・・。

やっぱりこっちのハロウィンは違うんだろうな。

「あたし、ハロウィンのお祝いってよくわからないから、教えてくれる?」

あたしの言葉に、シンディはにっこりと笑った。

「もちろん!何に仮装したいか、考えておいてね。日本のものでも良いからね」

「うん!」


「へえ、ハロウィンかあ。こっちで迎えるのは初めてだもんね。楽しみだね」

ママに話すと、ママも楽しそうに笑ってくれた。

「ママは?何かの仮装しないの?」

「う~ん・・・・・考えてなかったけど・・・・・ハリーに聞いてみようかな」

「ねえ、ママ」

「ん?」

「あのさ、だめだったら良いんだけど・・・・・」

「何?言ってみて」

躊躇するあたしの顔を覗き込み、笑顔で聞くママ。

あたしは思い切って口を開いた。

「今度、友達をここに連れてきてもいい?」

その言葉に、ママがきょとんとする。

「ここに?」

「うん。ママと―――パパを、友達に紹介したいの」

どきどきしながらママの顔を見る。

ママはしばらくきょとんとしていたけれど・・・・・。

やがてにっこりと微笑むと、

「もちろん。それから猫も紹介してあげてね」

と言ったのだった・・・・・。