「悪い子だとは思わないけど、ちょっと我が侭なんだ、ソフィア」

一緒にランチを取りながらデイブが言った。

「とにかく、いつでも自分が一番じゃないとダメなんだ。今まではそれでもみんなソフィアだからって目を瞑ってきたけど・・・・・サラが来て、みんなの注目を独り占めできなくなったから、気に入らないんだろうね」

「でも、それはサラが悪いんじゃないんだから気にすることないと思うわ」

とシンディが言った。

「うん、気にはしてないつもりだけど・・・・・。でもソフィアってきれいな子だし、あたしのことなんて気にしなくてもいいのに。あたしが注目されるのなんて一時だけのことなんだし、きっとみんなすぐに飽きちゃうよ」

その言葉に、デイブがぷっと吹き出した。

「サラって面白いよな。そりゃあ、最初は映画に出てる子だから目立ってたんだけど、それこそそんなの最初のうちだけだよ。今は純粋にみんなサラが好きなんだよ。かわいくて、優しくて、頭も良くて。俺たちみんな、サラが女優だってことはもう気にしてないんだぜ」

「え・・・・・」

「そうそう。女の子たちもね、最初こそソフィアみたいにサラの子と妬んでたけど、今はみんなサラが好きなのよ。サラみたいな女の子になりたいって思ってるの」

思いもしなかった2人の言葉に、あたしは急速に頬が熱くなるのを感じていた。

「あ・・・・・あたし別に、かわいくないし、頭も良くないよ。それに、結構我侭で優しくなんか・・・・・」

あたしの言葉に、シンディとデイブが顔を見合わせて笑った。

「確かに、ちょっと我侭かな。て言うか、ちょっとずれてるとこあるよね。家にいる猫たちに、家庭科で作ったマスコットを持っていくんだって言って15頭分作り終わるまで帰らなかったり、授業中に見つけたトカゲの尻尾が切れたのを、ずっと探してて授業サボったりとか」

「一度決めたら絶対曲げないよな。そう言うところはソフィアと通じる部分があるとは思うけど、サラの場合はそれが自分のためじゃなくって全部猫のためとか、動物とか植物のため、なんだよな。やっぱり優しいんだよ」

2人の話に、そうだったっけ・・・・?と首を傾げる。