ママのスキャンダル!

映画を撮っている、というよりは本当に学校へ通っているような感じだった。

友達といるのは楽しくて、たまに羽目を外し過ぎて監督やスタッフに怒られて。

仕事をしてるって感じるのは、取材を受けている時。

雑誌とかテレビとか、日本からわざわざ取材に来たりもしたし、そういう時はやっぱり仕事してるんだなって実感が沸く。

でもその取材もサリー達と一緒のことが多くて、嫌だと思ったことは一度もなかった。

ハリーと一緒に取材を受けたこともある。

ある時、ハリーにこんなことを聞かれたことがある。

『沙羅のママは、僕の映画見てくれてたのかな』

いつもあたしと一緒に『ジェリー・ナイト』の映画を見ていたママ。

それを教えたら、ハリーがすっごく嬉しそうな顔してたっけ。

今思えば、ハリーはこの頃からずっとママのことを好きだったんだろうなって思う。

それでもその時は2人の間に大して進展のないままに撮影が終わった。

映画が公開されるのは翌年。

それまであたしはまた普通の小学生として学校へ通っていた。

そしてあたしは6年生になり、いよいよその夏、映画が公開されたのだった・・・・・。