誰に口説かれても、食事に誘われたりしても断っていたママ。

たぶんそれは、あたしたちのせいなんだろうなと思ってた。

あたしと悠の存在。

根がまじめなママは、あたしと悠を置いてどこかへ1人で出かけるなんてしたことがない。

自分が遊ぶために悠を託児所に預けるなんてことはしない。

もちろんあたしのこともちゃんと考えてくれていて、慣れない土地で友達もいなくてさびしい思いをしないように、なるべく傍にいてくれた。

ママの世界は、あたしと悠を中心に回ってるんだと思う。

だから、スタッフの人たちに飲みに行こうと誘われても、いつも断ってしまうのだ。

キャロルさんが、「私がついてるから」と言っても、首を横に振る。

「あまり、飲みに行くのとか好きじゃないから」

そう言って笑うママ。

だけど、そんなママが気づけばハリーに視線を送っていることに、あたしも気づいてはいた。

あまり話しているところは見ないけれど。

お互いにちらちらと見ていたり、目が合うと恥ずかしそうに頬を赤らめていたり。

なんだか、小学生のあたしでもわかるぐらい初心な感じで・・・・・

でもハリーはこのとき25歳、ママは37歳。

きっと、年の差を気にしてるのはママのほうだと思うけど・・・・・。


映画のストーリーは、主人公のジェリー・ナイトが魔法界にある魔法学校を卒業し、15年の月日がたったところから始まる。

魔法の効力で、自分では望んでいないのに人よりもゆっくり年を取っているジェリーは、見た目はまだ青年なのに、すでに10歳の娘―――あたし―――がいた。

娘の名前はミリアム・ナイト。通称ミリー。

魔法学校の校長として生徒たちをまとめているジェリーの元へ、娘のミリーが新入生としてやってくる。

そしてそこにはおなじみのかつての生徒たちの子供たちもまた、通っていたのだ。

そこで繰り広げられるジェリーと娘のミリー、それからその仲間たちの冒険ファンタジーの物語。

映画の中で、親子を演じるハリーとあたし。

もしママとハリーが結婚したら・・・・・

あたしとハリーって、本当の親子になっちゃうわけ・・・・・?