きっと、


まだ誰も帰ってきて
いない。



そんな事を思いながら

重いドアに手をかけた時…




「 ミナミ」



見送ったはずのジンさんが


少し遠くで私の名前を
呼んだ。



コイツ私の名前
知ってたんだとか



今日のお礼でもしろって言われるのかな..


とか、


いらん事が頭をよぎる。


「なに?」


私は一度ドアにかけた
手を戻し


ジンさんの方へと顔を向けた。