初恋は君のために





「痛いってばッ!!」




大声を上げた私は
思い切りどつくと




リュウは我に帰ったように、腕を放した。






「わりぃ」




小さく吐かれた声は
少し震えていて





私の胸も少し痛んだ。




「俺はお前が本気で好きなんだ…」





また見せる


見たことがないような
あの悲しい表情、



ジンさんが好きなのに

リュウを裏切れない

リュウを突き放す事が出来ない。