初恋は君のために




グイグイと私の腕を引くリュウは一瞬もアズマに視線を向けない、




「おい、待てよ」




でもアズマもそんな簡単に引き下がるわけもなく



私の反対側の腕を掴んだ。




「なんだよ てめぇ。」



眉間に深いシワを寄せるリュウを私は恐る恐る見上げる




「俺はまだミナミちゃんに話があんだよ」





「てめぇらにミナミと話す権利はねぇ」




そう言ったリュウは

いつの間にか村田さんが持ってきていた車に
私を無理やり押し込んだ。