さて、此処はカード倉庫。
先生たちがカードを保存し、あまりにも危険なものは処分する場所。
なんで易々と侵入できたかって?
今日の為に一ヶ月前くらいから準備してたんだよ。

「へぇ…あ、これオレの《デスサイズ》じゃん」
「持ってけ、減るもんじゃない」
「もちろん」

一番最初に貰った、思い出のカードなんだよね、これ。
ヤマトも琴線に触れるものがあったみたいで、いくつかのカードを懐にしまっている。
…そして、一番奥に着いた。

「…ん?」
「あ、廃棄予定のカードかな?これ厳重だね」
「あー…お前《トラップスキャン》のカード持ってなかった?」
「解除せいって事かよ…」
仕方なくカードを取り出して、表面に描かれた呪文を読み上げる。
集中して、言霊に意味をこめて。

「えー…?《偽りを見付ける真実の眼鏡》」

瞬間、一瞬の発光。
カードはその一瞬で、眼鏡に形を変えてオレの手の中にある。
その眼鏡を掛けて廃棄予定のカードを見つめる。
あーあーあー…罠だらけだわ。
「ん、ここをこうしたらいいのか?」
「む、罠を解除せずに取るのか?」
「カードが触れると発動するみたいだな。《空間転移》のカードあるか?」
「えー…あ、これだな。ちょっと待ってろ、この呪文複雑だ」
カードとにらめっこ。
うんうん唸るヤマトのカードを見て一言。
「…《歪みの神をこの身に宿す》」
「!」
カード発動、オレの腕に巻き付いて腕輪になる。
…なんというか、武器系統と道具系統の呪文の描かれ方は違うんだよな。
オレはどっちも読めるけど、あんまり強力なのはそこまで使えないんだよね。
まぁ無理したら使えないこた無いけどさ。

とりあえず、今はカードだ。