王子様なんか大っキライ!



前を向くと先生はこちらを睨みつけている。
眼鏡のその奥からは、私に対する激しい憎悪が感じ取られた。


「し、ず、かに」

先生は一文字ずつ、強調した。

怒鳴り声じゃなかったのが逆に怖い。

「すいません…」

私と春香は同時に頭を下げた。