「おはよう、母さんセイラ」
静かな朝だ。まだ日は昇っていない。

微かに木々の触れ合う音と鳥の鳴き声が聞こえる。

薄闇に浮かぶ1枚の写真。
そっくりに笑う2人が写っている。

少年はその写真にしみじみと見入ったあと
思い出したかのように服を脱ぎ少し破れたズボンと真っ赤なTシャツを着
半袖の黒いジャケットをはおった。

◇◆◇

コンコン

乾いた音がした。


扉を開けると純白の夜着を着た少女が立っていた。