私がイライラしている間に男の子は大きなあくびをしていた。
「何?」
「は?」
あんたが呼んだんでしょー!?
何って何よ!
そんな言うなら話しかけてこないでよね!!
どんどんイライラがたまっていく。
「ってか、何の用!?」
「これ」
投げるようにしてわたしてきたのは、さっきまで読んでいた小説だった。
「あ、ありがとう」
素直にお礼言っちゃった…。
い、嫌だと思っててもこういうのは、ちゃ、ちゃんとしなきゃだよね!!
ただ落し物拾ってくれただけだったんじゃん。
勘違いだったとか…ハズすぎる。
もう…知らない!!
本を受け取ると、走って玄関まで向かった。
「そういえば今日雨だった……」
さっきから続いて憂鬱な気分…。
