夏のソラ

口をついて出てきた"あーくん〟という愛称。
………ッ


何かを思い出しそうになったとき、入学式が始まる10分前のチャイムが校内に響いた。

「やばいッ!!急がなきゃ遅れるッ!!」
余計な考えを頭の中にしまい、虹の架かる青空の下を私は走り出した。






「ふわぁ…」
いつの間にか寝てたんだ…。
とっくに授業は終わって、昼休みに入っていた。

一番後ろの窓側でよかったぁ。


「ぐぉー…ぐぉー…ぐぉー…」


隣からは豪快ないびきが聞こえていた。