「遥香…」
大慌てでやってきたのはママだった。

ママは心配しているのかと思ったら。
私の顔を見るなり。

「あんたは…何をやっているのよ。塾がない日は1日中、家で勉強しなさいよ…」

と怒鳴った。

ママが怒っている理由はいくつもあった。
私と洋平が2人きりで部室にいたこと…

ガラスを割り、病院に運ばれるという学校の先生たちに迷惑をかけたこと。


「こんな問題をおこしてどうするの?内申書はめちゃくちゃじゃない」

娘の体より…受験が心配ですか?

「遥香、あなた…洋平君と付き合っているの?」

私は何も言えなかった。

「洋平君と付き合うのはやめなさい。洋平君と遥香じゃ、釣り合わないから…」

ママはそう言った。

「歩香姉ちゃん。私、梨香を塾に送っていかないといけないから…帰るね。歩香姉ちゃんも帰っていいよ…」

ママは帰って行った。

私は何も言わなかった。