愛されて

声がして…振り向くと。
洋平がいた。


「洋平君…」
雪の顔が青ざめた…

「お前さ、拓海にふられたばかりなのに…よく、すぐ他の男を好きになれるな。俺、そんなに軽い女、嫌いだから…」

洋平はそう言うと、どこかに行ってしまった。

「雪、どういうこと?あんたは…ずっと洋平君のことが好きだったんじゃないの?」
聖が恐い顔で聞いた。


聖たちの仲間に入った雪だけど…
麻美のように、聖の機嫌をとることができなくて焦っていた。

そんなとき。
私と洋平が海に行ったことを知った雪は…

自分が洋平が好きだったのに…遥香がとったと言い、聖たちの機嫌をとりたかったのだ。


雪もかわいそうだ。
ウソをつくなら…
もっとマシなウソをつけばいいのに…

私はそう思った。