「これが…遥香の通知表かい?」

「はい…」

おばあちゃんが通知表を見ようとすると。

「お姉ちゃんの通知表なんて…どうせ、3と4ばかりでしょう?」

梨香が言う。

普通の家庭なら…
「そんなこと、言わないの」
と、梨香叱るだろう。

でも…家はそうではない。
梨香は何を言っても叱られない。

「まぁ…梨香の言う通りかもしれないけれど…」

おばあちゃんが通知表を開く。
ママと梨香も覗き込んだ。

「わぁ…」
梨香が声を出す。

「遥香、座りなさい…」
私は3人が座っている前のソファーに座った。

「何ですか?この成績は5よりも4が多いじゃないの?」
そんなこと、言われても…
国語・社会・音楽・体育・美術が5。
あとは4だった…

「それに…受験にかんけいのない科目の方が5が多いじゃない?これでは…女子大付属は無理ね」
おばあちゃんがため息をついた。

「遥香、夏休みは死ぬ気で勉強しなさいね…女子大付属には必ず合格しなさい…」

おばあちゃんはそう言った。