私は洋平に全てを話した。

ママやおばあちゃんが信じてくれなかったこと…

「そしたら…何か今まで頑張ってきた自分がバカみたいに思えて…」

「お前は…頑張りすぎなんだよ…」

「でもさ…頑張らないといけないんだよ。頑張らないと…あの家では認めてもらえないから…」

頑張っても…
頑張っても…
認めてもらえないけれど。

「もう…頑張るなよ…」

洋平の言葉に耳を疑った。

「頑張るなって!?」

「ちょっとは気を抜けよ。そうしないと…お前、心の病気になっちゃうぞ」

洋平の言いたいことは分かる。
自分でも…
時々、どうしようもなく不安になったり
泣きたくなったりすることがある。

「俺はずーっと遥香のことが心配だった…小学5年の頃から、笑わなくなった。
いつも誰かの顔色を気にしていた。
テストで良い点をとっても嬉しくなさそうで…
いつも、何を頑張っているんだろうって心配だった…」

ちゃんと…私のことを見てくれる人はいるんだ。と思った…

「俺は…頑張らなくても、ありのままの遥香が好きだよ。楽しいときは屈託なく笑う遥香が好きだから。頑張るなよ…」

「ありがとう…洋平」

ありのままの私を愛してくれる人がいるってことを知った。

成績が良いとか。
そんなの関係なく
愛してくれる人がいるということを知った。