試合に負けた私を見て。
ママは…
「これで受験に専念しなさいね…」
と言った。

おばあちゃんも
「あーよかった。これで遙香も塾にもきちんと行ってくれるね…」

誰も…
頑張ったねって
言ってくれなかった。

悲しかった。


次の日。
学校に行くと…
みんなの様子がおかしかった…

「おはよう…」
と言っても無視された。
すると…聖がやって来た。


聖は私の席の前に来ると
「あのさ、話があるんだ」
言った。
怒っているようだった。
「昨日、バレー部の試合が終わった後…綾に謝ったって本当?」

「うん…」

私は正直に言った…

嘘をついても…
バレると思った。

「遙香、何をしているのよ?私が…綾を無視してと言ったの忘れたの?」

「忘れてないよ…でも、昨日は試合に負けて、それで…」

「だいたいさ、綾がバレー部を辞めたのに、何で連れ戻したの?」

「それは…」
私は口ごもった…

その日、私はー
誰からも話しかけられなかった。


そして、私は気づいた。
イジメのターゲットが私に移ったのだと…