2人が帰ると…
歩ちゃんも泣いていた。

愛香につらい思いをさせているのが…つらいようだった。

歩ちゃん…ごめんね。
私のせいで…
つらい思いをさせて…

いつの間にか、
「歩ちゃん、ごめんね…」

私は…歩ちゃんにそう言っていた。

「何で遥香が謝るの?」

歩ちゃんが涙を拭きながら言った。

「だって…私のせいで歩ちゃん、こんなことになって…ごめんなさい」

そう…歩ちゃんが流産しかけたのは、私のせいなのだ。

私の出産で…
動揺していたうえに。
PTAなどからも責められて…
いつもとは違う職員会議などに…
歩ちゃんはストレスをためて。
流産しかけた…


「違うよ…私がいけないんだよ。私が妊娠しているのを知っていたのに…無理をしたから…」

「でも…」

「本当に大丈夫だよ…赤ちゃんって以外に強いんだから…」

歩ちゃんは優しかった。

だけど、その歩ちゃんの優しさが私はつらかった。