国語・数学・理科…
授業が終わるごとに答案用紙が増えていった。

4時間目は…体育だった。

体育から戻って来ると。黒板に誰かの答案用紙が貼られていた。

見てみると…
綾の答案用紙で、数学の答案用紙だった。
点数は51点。

「何が…頭がいいんだよ。51点だってー」

「あいつ、バカじゃん」
黒板の前で。
男子たちが笑っていた。

そこに…綾が教室に1人で入って来た。
「これ…落ちていたよ。綾って、頭悪いんだね…」
この前の仕返しのつもりなのか。
真穂が言った…

綾は真穂から答案用紙を受け取ると。
ぐちゃぐちゃにした…

「あのさ…私はあんたたちと友だちじゃないんだから、気やすく“綾”って呼ばないでよ…」


放課後。
私は…バレー部の顧問である数学の川本先生に呼ばれた。

「再来週の日曜日、北中と練習試合をすることになった。お前と綾で作戦を決めて…練習するように…」

「はい…」

困った…
私と綾とで作戦を決める?
無理だよ。

作戦を決めるってことは綾と話さないといけない。

でも、綾と話すことはムリ…


「綾はどこにでも…アタックを打てるからな…」
川本先生はそう言った。
職員室を出て、体育館に向かった。