愛されて

次の日、学校に行くと。
みんな、綾が陸上部の子をふったことをみんな知っていて驚いた。


「何様のつもりなんだろうね…」

「そうだよね…」

みんな、ヒソヒソ。


学習委員の人が英語の小テストの範囲を黒板に書いた。
みんな、必死にうつしていた。

だけど…そのテスト範囲は嘘だった。
すぐに…学習委員の子から正式な範囲を書いたメールが送られてきた。

私と雪と麻美は…
部活では、必要最低限のことしか話さなかった。


次の日が英語の小テストなので…
私は家に帰ってから、勉強をした。

「じゃあ、テストを返します…」
1時間目にあった小テストが返ってきたのは…

5時間目の英語の時間だった。
「樫木さん…」
「はい…」
私は名前を呼ばれて、答案用紙を受け取った。

95点!嬉しかった。
テストの点数よりも嬉しかったのが…
“よく頑張りました”
という英語の先生、歩香先生の言葉だった。

「じゃあ、答え合わせ始めます…」
歩香先生が言った時。

綾が立ち上がって…
「歩香先生、先生は答え合わせをする前に、みんなに謝るべきです…」

「謝るって…何を?」
怪訝そうに歩香先生が聞いた。

「だって…先生は小テストの範囲は教科書7ページまでと言ったのに、どうして10ページまで出しているんですか?」

「先生はきちんと10ページだと言いましたよ…だって、後ろの黒板にも範囲のところ、10ページって書いてあるじゃない?」

後ろの黒板には各教科のテスト範囲が書いてある。
英語が始まる前、誰かがテスト範囲を書き直していた。

みんな…笑いをこらえながら、綾をみていた。