愛されて

「ねぇ、遥香…」
掃除の途中、ゴミ捨てに行った帰りだった…

「美希」
呼び止められて振り向くと、美希が立っていた。
「あのさ、綾のこと何だけど…」

「うん…」

「ホームルームであんなこと言われて…自分たちもいじめているって先生に思われたくないから…次の日から話しかけてあげたのに…何、あの態度!!」
美希は怒っていた…

「一昨日だって…真穂にひどいこと言って…」

「うん。ひどいよね…」

私は相槌をうった…

「何か綾って空気よめないよね?言って良いことと悪いことの区別もつかないって、幼稚園児みたいだよね…」

美希は言った。

「私さ、教室に綾がいるのが一番イヤ…目障りだし、ウザイし空気読めないし…ねぇ、遥香。綾を無視しよう?この前は、みんなで無視したから、先生にチクられたけど…今度は私たちだけですれば…」

そう思ったのが美希だけならよかった…

なのに、次の日。
男子までもが綾を無視するようになっていた。

“どうして…男子まで?”
と疑問に思った…

謎が解けたのは…
放課後のこと。