愛されて

次の日だった…

昨日の今日なので…
みんな、綾に話しかけていた。

だけど…綾は。

「昨日、テレビ見た?」
「何の?」
「ドラマだよ…9時からのやつ、おもしろかったよね…」

みんなで話しで盛り上がっていても。
綾は…

「あんた達、あんなレベルの低いドラマ見ているの?最低…」

話しをもりさげてしまう始末。

みんな、そんな事言われたら不愉快になる…
綾はそれが分からないらしい。

体育にいく前のこと…
まだ5月なのに、紫外線は強い。
みんなは更衣室で日焼け止めを塗っていた。

中学生とはいえ…
やけたくないと思っているのは大人も子どもも一緒。

半分以上の女の子は…
値段が安くて、CMでも流れる日焼け止めを使っている。

「あーこの日焼け止め高いんだよね」
綾の声がした。

綾は…
真穂の日焼け止めを持っていた。

真穂はクラスの女子の中でも一番、色が黒い。
本人はそれを気にしていて…
これ以上、やけないようにと。

値段が高くて、高性能な日焼け止めを使っている。

「今さら…こんな高い日焼け止めを使っても遅いんじゃないの?」

綾は言った…
真穂は…黙ったままだった。


私たちのクラスの女子は4つのグループに別れていて。
綾はどのグループの子ともなじめなかったのか、私たちと一緒につるむようになってきた。