愛されて

「本当なのか？」

大沢先生がみんなに聞いた。

みんな、何も言わない。

綾は…

「だって、遥香とか麻美とか雪は部活の時に話してくれるのに…教室では話してくれないんです…」

ヤバイ…
そんなこと、みんなの前で言わないで。

「違います。綾は教室では男子と仲良さそうに話をしているから…私たちは話しかけにくかったのです…でも、部活中は綾も話しかけてくれるから…」

雪が言った。

雪、頭良い!!

大沢先生は雪の言葉に納得しているようだった。

すると…
聖が
「綾、ごめんね…私たち、綾が男子と話すのが好きだと思って、のけ者みたいにして…ごめんね。本当にごめん。明日からはいろいろ話そうね…」
と言った…

さすが聖だ。
言い訳が上手だし。
演技もうまい。
今も…泣きそうな顔をしているし。

大沢先生は…

「綾も転校してきたばかりで…女子の間には入りにくかったと思うから…今度は女子の方から話しかけてあげればいい…」
と言った。

ホッとした…