な、何この人ぉっ!

あたしは女子中出身で男子との出逢いなど、ないに等しく毎日を送っていた。

こんなヤンキーの人知らないよぉ…

怖くて、思わず翔の制服の袖を強く掴む。

ギロッ

そんなあたしの行動を見て、金髪ヤンキーくんが睨んできた。


「あ゛う…」


変な声を出したあたしは、涙目でふるふると首を横に振った。


「澪姉…」


転校初日にこんなことって…(泣)

あの目…

金髪ヤンキーくんの鋭い目と合って、翔の後ろに隠れる。

まるでケンカに強いお兄ちゃんが、同級生に虐められてるかよわい妹をかっこよく助けるシーン。


「知らねぇやつが何の用?」

ズイッ

そう言いながら翔は堂々とあたしの前に出て、金髪ヤンキーくんに話しかけた。

兄弟ヤンキーみたい…(笑)

って、そんな場合じゃなくて!