空になんか憧れない




階段を駆け上がり、息を切らしながら屋上へ駆け込んでくる彼ら。




「大丈夫か!美佐」



「っ…は、羽鳥がまた、いきなり殴ったの!」




赤くなった右頬を押さえながら泣く美佐。



「…アタシじゃないわよ」



「ふざけんな!美佐の右頬、こんなに腫れてんじゃねぇかよ!」



──変わらないわね、太一




「…右頬が、でしょう?」