「ただいまー」
「おかえり、お兄ちゃん。遅かったね」

既にアイは帰宅していたのか、

玄関で出迎えてくれた。

その顔を見た途端、やはり断わって

おけばよかったと思ってしまった。

取り敢えず俺は鞄を自分の部屋まで

持って行くと、部屋にアイを呼んだ。

「早くしてね。見たいテレビがあるから」
「分かってるよ、すぐ終わるから」

俺はアイをドアの前に立たせたまま、

話を切り出した。

「あのさ、もし……もし俺が、
お前のこと好きだって
言ったらどうする?」

俺が言った後、数十秒は沈黙が続いた。

アイは考えているのか何も言いださない。
 
「良いよ、そんなに真剣に
考えなくても……」

俺がそう言ったが、すぐにアイは

真剣に答えた。