1か月後――。

「お兄ちゃんッ、早く起きて」

いつも通りの朝が訪れる。

でも1か月前と違う事は、俺とアイは

他の誰にも内緒で付き合っている

という事。

もちろん、いずれは言うつもりだが、

両親にも内緒だ。

「待って……。
 キスしてくれないと元気出ない」
「しょうがないなあ……。
 1回だけだよ?」

俺がベッドから起き上がらないで言うと、

アイはイタズラっぽく笑って軽く俺に

キスをした。

俺はかなり幸せな気分になって、

今日も1日頑張れそうだった。

「行ってきまーす」
 
俺は元気よく叫ぶと、家を出た。