悪いって解ってんのに、どうして

行ったんだよ。

でも俺はそれ以上言えなかった。

手紙に落ちた涙の跡が見えたから。

「レン……、入るわよ」

ドアを開けて3人が入ってきた。

俺は便せんを封筒の中にしまう。

「ありがとう。母さん、父さん、アイ。
 俺、ちゃんと恩返しする。
 だから、家族でいても良いよな?」
「当たり前じゃないか。お前は
 立派な俺たちの息子だ」
 
父が眼尻にシワをよせて笑った。

お父さん、お母さん、俺ちゃんと

恩返しするよ。

俺だって本当の両親と居たかったけど、

今はもう大丈夫。

こんな最高な家族に囲まれているから。