「本当の両親はレンが2歳の時に
 出ていったの。
それには深い理由があったのよ……。
本当のお母さんの父が2人の結婚を
反対していて、勘当するなんて
言いだしたから……」
「それでもっ――」
 
俺は納得できなかった。

親に勘当されたからって幼い俺を

残して出ていくなんて勝手すぎる。

「ごめんね、今まで黙っていて」

母が悲しそうにつぶいた。

どうして、謝るんだよ。

母さんは何も悪くない。

「でもまだ、この話には続きがある」

次は父が口を開いた。

「本当の両親は出て行った数日後に
 事故で亡くなったんだ。」
「すぐにお前は天涯孤独の身になった。
本当のお父さんの両親はいなかったし、
 本当のお母さんの両親に頼むこと
 だって無理だ。
だから、俺たちは結婚したばっかり
の頃にお前を預かることにした」