次の日の夜。

「レン、あなたに
重大な秘密があるの」

いつになく真剣な顔で母が言った。

俺たちは、全員イスに座って話を

聞く体制になる。

母の隣に、父もいた。

「わたしたちは、あんたの本当の
両親じゃないの」

その瞬間、時が止まったかのような

感覚に襲われた。
 
この中に、俺の本当の家族はイナイ――。

「どういうことだ? 俺の本当の
両親じゃないって?」
「あなたの本当の両親は私の幼馴染なの」
「……。」
「私たち3人は
中学の時から仲が良かった。
そしてあなたの本当の両親は
 付き合っていた」

なるほど。

本当の両親は昔から結ばれていたのか。

俺は一人で納得した。

そして、本当の両親の間に俺が生まれた

というわけだ。