キーンコーンカーンコーン……

俺はホームルーム開始のチャイムの音で

目覚めた。俺は短い間に夢を見た。

アイに恋をしたことで、アイだけでなく

母までもが遠ざかっていく夢を。

まるで、俺の未来を予測している

かのようだった。

そのためか俺は、起きた時に背中に

べっとりと嫌な汗をかいていた。

「おい、大丈夫か? 顔色悪いぞ」
「えっ……ああ。大丈夫だよ」

本当は大丈夫なんかじゃない。

恐怖で押しつぶされそうになっていた。

しかし、それを悟られないように

必死で誤魔化した。

そして、ホームルームが終わると、

学校一美人の戸城 香奈(トジョウ カナ)

に手紙を渡された。

中には[今日の放課後、中庭に来て下さい]

と綺麗な整った字で書かれていた。