「キャーッ、レン君だわーッ」

校門前で待ち構えていた女生徒30名ほどに

たかられる。

これは毎日の事だ。

入学した次の日から、上級生までもが居た。

「凄いな、レン。今日もモテモテじゃん」

楽しそうに言うのは、同じクラスの

山田慎吾(ヤマダ シンゴ)。

一緒に登校していたわけではなく、

シンゴはさっき学校にやってきた。

そして説明が遅れたが、シンゴが

言うように俺はモテるのだ。

自分で言うなと言われる

かもしれないが……。

「うっせえ。行くぞ」
「了解ー」

言い方は悪いかもしれないが、

こいつらに好かれようと俺は

どうでもいいのだ。

俺が好かれたいのはただ1人、

アイだけだから。